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【vol.3】漁業=天候不安定で招く貧困

2014年11月29日
「それは、マックスの数字。
 天候によっては、もちろんゼロの日だって多いんだから
」-

11月28日は朝から、漁民の生活状況を知りたいと思い、
配属先の農業事務所職員に頼んで
海沿いの集落に連れて行ってもらった。

ココナッツが海沿いに生い茂る海辺の町
この言葉だけを見れば、
まるでリゾートにでも来たような気分になる。

でも、現実は違う。もちろん。

ティナンバック町が経営する市場「People Tinambac Market」を訪ねた。
そこで、魚を販売していた漁民に話を聞いた。
その漁民によると、一番多く獲れる日は、一日当たり最大40キロの水揚げ量がある。
網や釣り糸を使い、手漕ぎの船で海へと繰り出すので、
一日に1度、漁へと出るのが精一杯。
そして、魚はMarketで、一キロ当たり40ペソ(1ペソ=2・6円)で売れる。
40キロのうち、自家消費用を除いた量を販売する。
売れ残れば、乾燥させて干物にすれば、
さらに一キロ100ペソで売れるという。
日曜日を除いた週6日は働くというから、
単純計算で9600ペソ(約2万5千円)は入ってくることになる。

しかし、それはもちろん卓上の計算。
40キロも獲れるのは、週1、2回あればよい方。
もちろん、時化や天候によっては、
水揚げゼロの日もある。
平均すると、40キロからぐーんと下がって10~15キロ。
週に3600ペソ(約9400円)も稼げればよい方だ。
一日に割ると514ペソ。
平均的な家庭(両親と子ども3人)が暮らそうとすると、
「その日のご飯を食べるのがやっと」(農業事務所職員)だそうだ。
まして、水揚げゼロの日があれば…。

さらに、大きな魚が獲れると、漁民は逆に困るのだそうだ。
市場では周囲も貧しいため、大きくて値段の高い魚は敬遠される。
そうすると、遠くの市場へ出荷してくれる仲買業者に販売するが、
そこでは手数料が取られてしまう。
そのため、漁民は自分で売ろうとして、
遠くは山間部の農村部まで歩いて売りに行き、
時には同額のコメや野菜、果物と物々交換をしてもらっているとのことだった。

実際に歩くことで、分かった現実。
市場から事務所へ向かう足が、いつも以上に重く感じた。

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ココナッツと海
【写真1】=ココナッツと海のコントラストは、一見リゾートのように見えるが…(11月28日)

豊富な海産物
【写真2】=市場の外でも、行商をしている漁民は多い。かきや小エビなども売っていた(11月28日)
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【vol.2】活動=雨や移動手段が足かせ

2014年11月28日
もっと歩き回りたいのに・・・。
いろんな人に話を聞いて回りたいのに・・・。

青年海外協力隊活動本格化2日目、
早くも焦りというか、いら立ちを感じてしまっている。
一日のうち、あまりに事務所にいる時間が長いからだ。

原因は3つある。

ひとつは、フィリピンは今が雨季だということ。
毎日のように雨が降り、
しかも現在は台風「クイニー」が接近中。
私が住むビコール地方に直撃はないが、
毎日、大粒の雨が事務所の、そして自宅の屋根を強くたたき続けている。
晴れたら事務所裏の畑の管理をし、
雨のときは朝からトランプに興じる(笑)という
〝晴耕雨読〟の事務所なので、
きのう27日の昼からは、ほとんど事務所で本を読んで過ごしてしまった。

そして、移動手段がないことも、活動を難しくしている。
私はJICAからバイクの支給を受ける「バイク隊員」なのだが、
バイクを受け取るには
①正規のバイク店でバイクを購入する
②首都マニラでバイク講習を受ける
③オフィシャルのナンバープレート(フィリピン政府?が発行)を受け取る
-という流れが必要。
しかし、どうも大変なのが③。
先輩隊員の話を聞いていても、赴任半年でもこないという例も。
ティナンバックは44のバランガイ(村。日本でいう自治会くらいの単位)がある
比較的大きな町なので、
バイクがないと致命的。
今は役場近くの町を、徒歩でうろうろするしかない。
トライシクル(三輪タクシー)ばかりで移動するのもお金がかかるし。
もっといろいろと見て回りたいのだが。。

さらに、事務所のゆるさと同僚からのプレッシャーもある。
事務所は先述の通り、晴耕雨読の緩やかな雰囲気。
一日トランプをしていても、許されてしまう雰囲気だ。
ただ、一人すごく有機農業の促進に積極的な職員がいる。
現在は出張中のカウンターパート(同僚。ここでは事務所のボス)に代わり、
有機農業を進める高校や、技術系の大学に連れて行ってくれたりする。
本当にありがたい。

ありがたいのだが・・・。
何度、「今はリサーチに時間をかけたいんだ」という話をしても、
「あなたのプロジェクトはいつから始めるの? 来週には始まるんでしょ?」
と質問攻め。
まだどこにどんな資源があるかも分からず、
ましてや住民がどんなことをしたいのか、ニーズも捉えきれていないのに。

でも、せっかくいろいろサポートをしてくれているので、
「ココナッツ農家の生活を知りたいからインタビューさせてほしい」
「ココナッツトレーダー(仲買人)にも話を聞きたい」
「どうせなら漁民と話せる場を設けてほしい」と、
いろいろと注文してみた。
待っているだけではダメだ。いろいろこちらから仕掛けていかないと。。

活動の第1ステップは、
まずはティナンバックを好きになること
 ティナンバックに住む人たちのことを好きになること
」。
駆け出し記者時代、口をすっぱく言われてきたことだ。
今はできる範囲で動いて、
まずは地域を好きになろう。

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台風クイニー接近のティナンバック
【写真1】=役場前の道路をたたく、激しい雨(11月27日)

高校のコンポスト
【写真2】=高校で見つけたコンポスト。構内の雑草でつくっていた(11月27日)
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【vol.1】赴任=この町の住民とともに

2014年11月26日
フィリピン・ルソン島南部にあるビコール地方。
その中心都市・ナガからさらに東へジプニー(ジープ型のバス)で1時間半。
青い海を見下ろすように林立する、
青々と茂ったココナッツが見え始めたら、
私の住む「ティナンバック町」が近づいてきた証拠である。
青い海、青い空の中にありながらも、その存在感を誇示する青々と茂るココナッツの樹たち-。
私がお気に入りの光景だ。

首都・マニラから南東に320キロ。
それが、青年海外協力隊コミュニティ開発隊員として、
私が11月25日から派遣されているティナンバック町だ。
サンミゲル湾に面する人口6万6千人の海辺町。
その豊かな海は、
バングース(ミルクフィッシュ)などの白身魚や、マッドクラブ(泥ガニ)などの
海産物ももたらしてくれる。
その海産物と並んで有名なのがココナッツ。
町内にある農地のうち、実に95%をココナッツが占め、
ビコールでも随一のココナッツ産地だ。

しかし、そんな豊かな〝財産〟の多い町であっても、
住民の所得に結びついているか、といえば
決してそうではない。
人口が1億人を超え、
2013年のGDP成長率は6・8%と世界27位と著しいが、
マニラ首都圏と地方との経済格差は広がるばかり。
地方でその勢いは、感じられない。

だからこそ、フィリピン政府を通じて、協力隊派遣が要請された。
主な要請内容は、
町の農業事務所に所属し、有機農業を促進することだ。

しかし、私は農業の経験は一切なし。
前職は新聞記者。
7年間の記者生活では、
JA(日本農業協同組合)を取材し、
TPP(環太平洋連携協定)や、
政治組織「農政連(農業者農政運動 組織連盟)」の知識は多少あっても
コンポスト(堆肥)の作り方も知らなければ、
有機野菜の販売をしたこともない。
長期の海外生活も初めてだし、
何か使えるような資格も持っていない・・・。

そんな「ないない尽くし」の中、飛び込んだ「国際協力の世界」。
どんな試練や楽しいことが待ち受けているのか-。
ただ、協力隊の2次試験の面接で言われた言葉は、絶対に忘れられない。

「国際協力の主役は、あなたではなくて現地の住民なんですよ」

そう、あくまで協力隊は、地域が豊かになるためのサポート役。
どうやったらもっと地域が発展するのか。
どうやったら一人一人の収入を増やすことができるのか。
この町の住民とともに、
一緒に悩み、一緒に挑戦し、一緒に汗を流していきたい。
                
                 ◇         ◇

2014年11月25日から、
私の青年海外協力隊の活動が本格的に始まった。
記者という立場から、まったくと言っていいほど違う、国際協力の世界。
同じ「現場」で「」を相手にする仕事とはいえ、
言語も文化も生活も違う中、
フィリピンの人、ティナンバックの人たちのために何ができるのか-。
ココナッツの樹の下でもがく姿をつづっていければと思う。

2年間の長期ルポ、
またFacebookで評判の悪い(笑)長文になりそうですが、
なにとぞお付き合いいただければ幸いです。
※随時更新

海辺の子どもたち
写真=海辺を散策中に出会ったティナンバックの子どもたち。もちろん、僕よりもビコール語が上手(11月26日)
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